マイクスタンド 選び方 防振
マイクスタンド選びで防振性能を重視すべき理由と失敗しない選び方ガイド
DTMやボーカル録音を始めたとき、マイクスタンドって「どれでもいいや」と思っていませんか?実は、マイクスタンド選びが音質を大きく左右する重要な要素なんです。特に防振性能を無視すると、エアコンの音や床の振動がマイクに拾われて、せっかくの録音が台無しになることも。
この記事では、防振性能を重視したマイクスタンドの選び方を、実際のスタジオワークの経験から解説します。あなたが「どのマイクスタンドを選べばいいのか判断できる状態」になることが目標です。読み終わったら、今日からでも実践できる具体的なアクションプランもお伝えします。
そもそもマイクスタンドの防振性能とは?
マイクスタンドの防振とは、外部の振動や揺れがマイクに伝わるのを最小限に抑える機能のことです。防振性能が低いスタンドを使うと、以下のような問題が発生します。
- キーボードやマウスの操作音がマイク音に混入
- エアコンの低周波ノイズが増幅される
- 楽器や声の録音時に不要な「ゴロゴロ」音が入る
- スタジオ外の交通音の影響が大きくなる
実は、マイクスタンドは単なる「マイクを支えるもの」ではなく、音質を守る防波堤として機能しているんです。高いスタンドと安いスタンドを比較すると、最大で3〜5dB(人間の耳では明確に感じる差)の低周波ノイズの差が出ることも珍しくありません。
防振性能が高いマイクスタンドの3つの特徴
マイクスタンドの防振性能を判断するとき、以下の3つポイントをチェックしてください。
1. ベース部分の重さと安定性
防振性能で最も重要なのがベース(底部)の重さと広さです。軽いスタンドや小さなベースは、わずかな振動でも共鳴しやすく、マイクへ振動を伝えてしまいます。
逆に重いベースなら、外部の振動を吸収して、マイクへ伝わりにくくなります。目安としては、ベースの質量が500g以上あるスタンドを選ぶと、防振性能が格段に向上します。また、ベースの足が広がっているデザイン(トライポッド型)の方が、安定性に優れています。
2. ポール部分の素材と構造
マイクスタンドのポール(縦の支柱)も重要です。太くて重い素材(スチール製)のポールは、振動が少なく、マイクの重さにも耐えられます。
安価なスタンドはアルミニウムやプラスチック製の細いポールを使用していることが多く、これらは振動しやすいのが欠点です。ポールを軽く叩いてみて、「ポーン、ポーン」と長く響く場合は防振性能が低い可能性があります。
3. ショックマウント機能の有無
ショックマウントとは、マイクとスタンドの接続部分にクッション材を使用した機能です。多くの高性能スタンドには、エラストマーやゴム製のショックマウントが内蔵されており、マイク側からスタンド側への振動伝達を大幅に減らしています。
ショックマウント機能があるだけで、防振性能は2倍以上に向上することもあります。購入前に、ショックマウント機能があるかどうか必ず確認しましょう。
防振性能を重視した選び方の5ステップ
実際にマイクスタンドを選ぶときの手順を紹介します。
ステップ1: 用途に合わせた重さ選択
まず「自分がどこで使うのか」を決めます。スタジオに固定する場合は重いスタンド(800g以上)、ライブで持ち運ぶ場合は中程度(500〜700g)を選ぶのが目安です。ただし、防振性能を重視するなら、持ち運びより安定性を優先すべきです。
ステップ2: ベース形状をチェック
トライポッド型(3本足)のスタンドを基本に選びます。4本足のスタンドもありますが、3本足の方が床との接地面が安定しやすく、防振性能が高い傾向にあります。
ステップ3: ポール素材を確認
スチール製(鉄製)のポールを探してください。商品説明に「スチール製」「鉄製ポール」と書かれているものが目安です。
ステップ4: ショックマウント機能を確認
マイクを取り付ける部分に「ショックマウント機能付き」「防振クッション付き」と書かれているかを確認します。付いていない場合は、別途で外付けショックマウントの購入も検討しましょう。
ステップ5: 実物確認 or レビュー参照
可能ならば実物を持ってみて、「揺れやすさ」を確認します。難しい場合は、Amazon などのレビューで「防振」「安定性」「ノイズが減った」などのキーワードが多く書かれている商品を選ぶのがおすすめです。
よくある失敗と防振性能を損なわないコツ
実務での失敗例をもとに、注意点をお伝えします。
失敗1: スタンドだけに頼ってしまう
防振性能が高いスタンドでも、床が木製の場合はピアノやベースの低音が床を通じて伝わることがあります。スタンドの下に防振シートやコルクマットを敷くという二重の対策が効果的です。
失敗2: マイククリップの選択を誤る
マイクをスタンドに装着するクリップ部分も重要です。安価で硬いプラスチック製クリップは振動を伝えやすくなります。できればゴム製やエラストマー素材のクリップを選んでください。
失敗3: ケーブルのテンションを無視する
マイクケーブルが張り詰めていると、ケーブルの張力がマイクに振動を伝えてしまいます。ケーブルをスタンドに適度に固定して、張力を逃がす工夫が大切です。
コツ: 定期的なメンテナンス
スタンドが古くなると、ジョイント部分が緩んで防振性能が低下します。月に1回程度、ネジやジョイントを軽く締め直すと、防振性能が保たれます。
まとめ
マイクスタンド選びで防振性能を重視することは、録音クオリティの向上に直結する投資です。これまでの解説をまとめると:
- ベースは500g以上、スチール製ポール採用のスタンドを選ぶことが基本
- ショックマウント機能の有無を必ず確認し、なければ別途購入も視野に
- スタンド単体ではなく、防振シートやクリップなど周辺環境も整えることが成功の鍵
今日からできるアクションプランは、以下の通りです:
- 現在使用中のスタンドがあれば、底面を持ってみて「重さ」を確認する
- 今後の購入を検討する場合は、Amazon のレビューで「防振」というキーワードが複数書かれている商品をリストアップする
- 予算があれば、外付けショックマウントの購入も組み込む
正しいマイクスタンド選びによって、あなたの録音環境は劇的に改善されます。ぜひこの選び方を参考にして、クリアで透明感のある音声を手に入れてくださいね。
おすすめ商品
-
K&M 23325 マイクスタンド - ドイツの老舗メーカーが製造する定番スタンド。重量感のあるベースとスチール製ポールで防振性能が優れており、プロスタジオでも採用されている信頼性の高い商品です。
-
Audio-Technica AT8004 短型ショックマウント - 既存のスタンドの防振性能を大幅に向上させる外付けショックマウント。マイクとスタンドの間に装着するだけで、振動伝達が最大50%削減され、ノイズが明らかに減ります。
-
Neewer NW-35 アーム型マイクスタンド - スチール製の頑丈なアーム構造で防振性能が高く、ポッドキャストやボーカル録音に最適。付属のショックマウントも高品質で、初心者から中級者まで幅広く対応できるコストパフォーマンス型です。